ブレーキキャリパーのオーバーホール 2002.1.15 |
○どうもブレーキが引きずっている気がする。しばらく乗らないでいると、バイク置き場から引っぱり出す時非常に重いのだ。これでは燃費が悪いのも当然?
○キャリパーが外れない! ローターのパッドが当たる部分だけが減り、当たらない端の部分が出っ張って居るため、外す時にパッドが引っかかる。これは仕方ないとしても、最近は幾ら押してもピストンが戻らなくなってしまったので、毎回外す度に苦労していた。(プラハンで叩いて外していたのは秘密)
○最近ブレーキが効かないのは、握力が無くなったからだと思っていたが、どうも違う事に事に気付いた。友人のアフリカに乗せて貰ってその違いに愕然・・・
と言う訳で、ブレーキキャリパーのオーバーホールに挑戦する事に決定。 実はパーツを頼んだのは何ヶ月も前。時間が無くて・・・
今回の為に揃えたパーツ。シール類を左右分と、マスターシリンダー内のパーツ。しめて5千円位?ピストンは高いので今回は見送り。駄目そうなら改めて注文する予定。 |
まずはこちらからやってみよう! と思って左側から外したが・・・ |
しか〜し! ハンガーピンが2本とも外れない・・・・。とりあえずラスペネをたっぷり吹いた後、しばらく放置してみる事に。 |
で、右側に変更。こちらのハンガーピンは2本とも無事外れてホッ・・・ |
汚い・・・・ レバーを握ってピストンを油圧で押し出したところ。いくら指で力を入れてもびくともしないので、片方のピストンが外れてしまうと、もう片方はこの方法では押し出せなくなるってしまう。そうなると特殊工具が必要になるので、それが怖くてなかなか手が付けられなかったのが本音。少〜しずつ慎重に出していき、ギリギリまで出したら手で引っこ抜く作戦をとる。今回上側のピストンの固着が酷かった。ダストシールはガサガサになっている部分が有ったが、内側のシールは綺麗なままで、特に問題無さそうだ。ちなみに10年で6万q使用。 |
外したピストンをキャリパ本体に置いた所。要は「ココまで出すとピストンが外れてしまうので注意」 反対側の押さえ?ギリギリまでは出して大丈夫。一応コレでもキャリパー、ピストン共に洗浄済み・・・ |
ピストンはマジックリン+歯ブラシで洗浄した後、花咲G錆び取り攻撃。取れない錆びは1000番の耐水ペーパーで磨いた。まだ黒い部分が残っているが、この位で勘弁してやる事に。酷く錆びていたのは手前側の部分(上の画像で見える部分)のみ。見える側だけ掃除して置けば良いという事か? |
洗浄済みのキャリパー。これでもマジで結構頑張ったンすよ! マジックリン+歯ブラシから始まって、ブレーキクリーナー、真鍮ブラシ攻撃(真鍮よりアルマイトの方が硬いらしいので大丈夫らしい)までしてこのザマ。仕方ない、今回はこの位で勘弁してやるか・・・ |
新しいシールにブレーキフルードをたっぷり塗って組み付けた。この時、ダストシールを一つ駄目にしたのは秘密。キッチリ掃除したつもりだったのだが、シールが収まる溝(丁度見えない部分)に、まだゴミが残っていたのだ。その分シールが浮いて居たのに気付かず、ピストンを押し入れたためシールが切れてしまった。画像は揉みだし作業中。ピストンに薄くシリコングリスを塗って、ピストンの出し入れを繰り返すと、ピストンとシールがなじんで動きが滑らかになる(らしい)。片方のピストンを押し込むと、もう片方が飛び出てくる。レバー操作で有る程度ピストンを押し出しておいてから作業するのだが、出しておく量が多すぎる、押し込んだのと反対のピストンが飛び出てしまうので注意<経験車談 シリコングリスの代わりに、「メタルラバー」と言う素敵なケミカルを使うととっても良いらしいと言う噂。レバーを握った時、両方のピストンが同じだけ出るようになるまで揉み出しをするのが良いのだが、握力が無くなって来たので適当な所で勘弁してやった。 | 組み立て完了。ホント洗った様には見えない・・・ 掃除はまめにしないと駄目ね。あとはフロントフォークに取り付けて完成。 |
今回エア抜きに大活躍したシャンプーのポンプ。単なるエア抜きならばレバー操作だけでも簡単なのだが、キャリパーをバラしたりすると、レバー操作だけではもの凄い大変らしい(本によっては「作業に一日見ておけ」と書いてあったりする)。「シャンプーのポンプを使って下から抜くと楽」だと聞いたので、試してみるとホントに早かった。コレはホントにお勧めです。作り方は簡単、ポンプに金魚用のエアホースを繋げるだけ。専用品も市販されています。垂れたフルードがどこかに着いていると塗装を侵すので、エア抜き後は即車体を水洗い。 | シリコングリスのスプレーがどこかに有ったはず・・・と物置を漁ったが見つからず。その代わりブレーキフルードが4本も見つかった。なんで俺はこんなに買ったんだろう? どれも中身は中途半端に残っている状態だが、これだけ有ればエア抜きに手こずっても安心? 劣化が心配なので、全てのオーバーホールが終了したら、新しいフルードを買って入れ直す予定。 |
最初から「今日は片側だけやろう」と思っていたのだが、ダストシールを一つ破損してしまったので、どっちにしても両側は出来ず。予定通り?右側だけで終了。 ラスペネを吹いた後、3時間ほど放置しても左側のハンガーピンはやはり回らない。インパクトドライバーにソケットを付けてぶっ叩いても駄目。「これ以上やったら舐める」と思ったので、その後お世話になっているバイク屋「※ テクニカルLEGO」に行く事に。一応片側はオーバーホール完成のハズだが、ブレーキの利きは相変わらずイマイチ。両方のキャリパーをオーバーホールしないと駄目なのか、それともパッドやローターにオイルでも付いているのか? はっ! 野良猫のおしっこ攻撃のせい・・・? (どうも野良猫のトイレになっている様なのだ) 「火曜日だから今日は休みかな」と思ったが、LEGOは開いていた! まさに天の助け! まずはダストシール(予備も含めて2つ注文)とハンガーピンを注文。その後ハンガーピンを外してくれないか頼んだ所、メカニックのお兄さんは快く応じてくれた。色々試してくれたのだが、「コレは舐めます」とのお墨付きを頂いてしまった・・・・ 「かなりの加工が必要になるので、12000円位見てください」と言われショック。ハンガーピンのかじりつきは、ホンダのサービスマン会議でも良く話題になるそうな。ホンダさん何とかして! 防止対策としては「パッドグリスをネジ山に薄く塗る」らしい。そうか、パッドグリスだったか〜。(ちなみにサービスマニュアルではシリコングリス指定)私も毎回外す度にネジ山を清掃し、グリスを塗ってからねじ込んでいたのだが。そう言えば前回作業した際、片方にはリチウム、もう片方にはモリブデンを塗った気がしたので、その差が現れたと言う事か!? しかし、憶えてないので全く意味無し・・・ ちなみに更に上から水に強いリチウムグリスで蓋をして、イモネジ(?)のキャップを締めていたのだが、このグリスはキッチリ残っていた。それ程高温にならないorなっても流れ出さないと言う事か? どっちにしても、固着防止には役に立たないと言う事か・・・ 当初12000円出して直して貰おうと思っていたのだが、新品をASSYで買っても15000円位な事が判明。だったら新品買おかな〜。オーバーホールしなくて済むし、パッドも新品が付いてくるし。1週間後「そろそろラスペネが浸透したかな」と思い、再度チャレンジしたのだが、やはり駄目。今回はスクリューグラブ併用で、ちょっと頑張ってみたのだが。07用の中古を譲って頂けると言うありがたい話があり、ちょっと安心。04と07ではキャリパーの見た目は全く違うのだが、フロントフォークなどの外見が非常に似ているため、多分着くとは思うのだが。現在確認中である。
おまけ
○指で押して戻らないのはおかしい! 揉み出しをしたら、指でスコスコ動くどころか、反対側のピストンが飛び出しちゃった位。 動きが渋いと思ったらすぐ整備? いや、その前に整備が正解か? 動きがスムーズなうちなら、ピストンを外すのに緊張する事も無だろうし。また、エア抜きも簡単だと言う事も判明したので、これからは安心して出来る。汚れを落とすのも楽だろうし、シールを交換する必要も無いだろう。必要なのはブレーキフルードとクリーナー類だけだ。
○固着したピストンでも、ギリギリまで出してやれば最後は手で抜けた。まだ動きが良い方のピストンは、ギリギリまで出したら指で動いたので、固着が酷いピストンを先に抜くのがコツ?
○シールが収まる溝は念入りに掃除すべし! 見えない部分に汚れが残っている可能性有り。今回の汚れはとても強力で、歯ブラシで擦っただけでは落ちず、曲げた針金でゴシゴシ擦ってやっと落ちた。ゴミは半透明だった為、シールの破片では無さそう。フルードが変質して固まったものか?
※テクニカルLEGO 近所に有るバイクショップ。この店の常連である友人小松氏に紹介された。そのせいなのかもしれないが、純正部品を頼んでも後払いでOK。純正部品は返品不可なので、どこのお店も前払いが普通。小松氏の口利きで、本来なら絶対貸して貰えない特殊工具を貸して貰った事もあり、大変お世話になっている。釣り仲間である福田氏も常連で、ここで全塗装したバイクに乗っているが、これまた素晴らしい出来栄えである。 簡単な整備を頼んだり、相談に乗って貰った事が有るのだが、その時技術、サービス共にとても信頼出来るお店だと思った。一度もめた事(※2)が有るが、それを差し引いてもお勧めのお店である。現に友人江藤氏に紹介したが、この店の常連になってしまったらしい。ちなみにホームページ も有る。
※2 もめ事 アフリカツインのパーツリストを頼んだ際の事。「ちょっと前の型なので、在庫が無い場合コピー版になります。その場合高価になる可能性が有ります」と言われたので、「あまり高いと買えないので、まず値段を調べていただいて、もし3000円以下なら注文して下さい」とお願いした。(この時受付けたのは奥様)
数日後「入荷しました」と言う電話が入ったので取りに行くと、「5000〜6000円?になります」と、ちょっとビックリな値段を言われた。「3000円以上なら要らないと言ったんですが(当時失業中の私は超貧乏でマジでお金が無かった)」と言うと、店長さんが訳も聞かずにもの凄い勢いで怒り始めた。どうも事の真相は、ホンダから値段の返答が来た際、たまたまそれをメカニックのお兄さんが見つけ、訳を知らないお兄さんは気を利かせてそのまま注文してしまった、と言う事らしい。要は店内での連絡不行き届きが原因。怒り狂う店長の後ろで、奥様とメカニックのお兄さんがすまなそうな顔をしていた。当然の事だがパーツリストは引き取らず(だって本当にお金無かったんだもん)。そんな事が有って、人に勧めてる割には自分はちょっと行きづらい。結局パーツリストは友人がどこかから定価(2000円位)で見つけて買ってきてくれた。